なぜ、空を飛べる鳥と、空を飛べない鳥が存在しているのか?それは、鳥たちの外敵の存在が大きく関わって来ることになります。 鳥にとって外敵がいない生息地。つまり安全な生息圏で暮らしていた何種類かの「空を飛べる鳥」たちは、 「空を飛べない鳥」であっても生き残って行けることを、長い年月をかけて子々孫々に伝えて行きました。 やがて、羽が退化して「空を飛べない鳥」へと進化していったのです。 もちろんですが、外敵がいなくても「空を飛べる鳥」のままでいることを選択した鳥もたくさんいます。 どの鳥が、どのように考えて「空を飛べる鳥のままでいよう!」と考えたのか・・・。 そして「空を飛べない鳥になろう!」と考えた鳥の祖先は、何を思って「空を飛べない鳥」になることを 決めたのか・・・。 生物の進化というのは、とても不思議なものだと、つくづく感じます。 たとへば、オーストラリアを見てみましょう。 オーストラリアは、元々は「ゴンドワナ大陸」と呼ばれる南極や南米と同じ大陸の一部でしたが、その後 の大陸移動によって、約1億年前に大陸から離れて、今のような島国になったと言われています。 それからの長い年月の間、さまざまな種類の野生動物が多様に、そして、独自に進化して行きました。 オーストラリアと言えば、カンガルー、コアラ、ウォンバットなどの動物が有名ですよね。 これらの動物は鳥の外敵ではありませんが、オーストラリアでは、鳥を狙うような動物は、ほとんど生息 していないのです。 つまり、オーストラリアという島国は、鳥にとって、とても安全な楽園だったわけです。 今では、「空を飛べない鳥」のいる島国としても良く知られているところですね。 オーストラリアにおける、「空を飛べない鳥」は、ダチョー、キウイ、ヒクイドリなどがいますが、 「空を飛べない鳥」の仲間として、とても面白い鳥にあげられるのがエミュ−です。 エミューはこんな姿をしています。 エミューは「空を飛べない鳥」の仲間としては、ダチョウに次いで2番目に大きな鳥になります。成長すると 体長が約160〜180センチ、体重は約30〜50kgまでに育ちます。ところが、翼は、たったの12センチ ほどにしかならないんです。 徹底的に「空を飛べない鳥」を目指した結果なのでしょうが、それにしても、12センチだけ残っているという ところが不思議なんです。自分が鳥であるということを忘れないためなのでしょうか? これはおまけですが、オーストラリアの古生物学者らによると、同国には約5000万年もの昔に、体重が 500kgにも達する、とても巨大な鳥が生息していたそうなのです。 ところで、ニワトリは人工的に作られた「空を飛べない鳥」ですので、進化による「空を飛べない鳥」の仲間 ではありません。もちろん、ヒヨコくんもそうです。 |
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